Akaiwa City,Okayama Prefecture
岡山県あかいわの“桃”
PEACHES
春4月、桃の木に春の訪れ・・・
5月中旬過ぎには一枝に2つの果実がはっきりと大きく育っています
8月、収穫直前の白桃。袋を開けると大きく育った白い肌が現れます。
日本の桃、そのルーツは岡山県
今からおよそ150年前、中国より “上海水密 ” “ 天津水密 ” という2つの桃が岡山県に伝来しました。
水密桃 (すいみつとう) と呼ばれるこれら二つの桃は、日本古来の桃より実が大きく、そして非常に甘かったと言われています。
この水蜜桃をベースに、当時の稗田村 (現:赤磐市) 生まれで、桃の生産振興に関わっていた小山 益太氏、さらにその弟子であった大久保 重五郎氏が、1901年に“上海水密 ”を改良し、新たな品種を誕生させました。
それが “ 白桃 ” であり、白桃は、日本各地で生産されるようになるとともに、それぞれの地で新たな進化を遂げます。
現在、出回っている桃の品種はこの白桃をベースに品種改良を重ねた派生品種と言えます。
大半の派生品種は完熟すると、その外見がピンク色から濃い赤色等に変化し、「桃は桃色」「桃は赤色」というイメージが一般に定着しました。
しかし、岡山の桃生産者は、どうしても 「“ 白桃 ” は白くなければならない!」という信念が強かったんでしょう?
品種の改良、栽培技術の革新を繰り返し「完熟しても白くて甘い桃」にこだわり続け、岡山県独自の「桃は白色」の文化を作り上げました。
またその副産物でしょうか。
白く育てるために、果実が小さい内に袋を掛け、太陽の光を遮断することで「とろけるような果肉、滑らかな口当たりの桃」が出来上がったのです。
岡山の白桃は、さらに研究・改良が重ねられ、清水白桃・白鳳・白麗などの品種を世に輩出。中でも、清水白桃は岡山県の最高級ブランド桃として、長くその地位を保ち続けています。
平成 17 年に品種登録された県オリジナルの品種 が、おかやま夢白桃です。大玉で、ち密な肉質と高い糖度が特徴の白桃。まだまだ生産量が少なく知名度も低いですが、赤磐市は岡山市に次ぐ生産量を誇ります。ぜひ一度、味わていただきたい白桃です。
また、赤磐市内の生産者部会では、JA東岡山の県育成品種「白皇(はくおう)」の産地化へ部会を上げて取り組んでいます。
「白皇」の収穫期は8月20日~31日頃。お盆明けの新たな「岡山白桃」として期待される新品種です。
さらに、「冬にも桃を食べたい」というニーズにも、超晩生(おくて)の桃、「桃美白」を赤磐市内の生産者が開発しました。
一般的な桃の収穫期は6月下旬~9月中旬頃ですが、冬美白は
10月下旬から11月中旬に食べ頃を迎える珍しい品種です。
玉が大きく、平均糖度は15~16度と甘みが強いのが特長といいます。
よりおいしく、より白く、より大きく・・・。
赤磐市内の生産農家では「プライドを懸けた戦い」
が日々続きます。
1週間ほどで花は満開に。
いっぱいの花を、一枝に花2輪を残し、残りの花を摘み落とします
太陽の光を遮断するために一つ一つの実に
「袋掛け」